鮎の釣り方
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いれば掛かる?「瀬釣り」の魅力・釣り方の基本・道具の選び方を解説

KOJI

川の流れが速いポイント「瀬」で鮎釣りを楽しむ「瀬釣り」。

縄張りをもつ鮎の習性を利用する日本古来の伝統釣法「友釣り」の釣り方のひとつであり、「これぞ鮎釣り!」というダイナミックな鮎釣りを楽しめます。

今回は瀬釣りの魅力や釣り方の基本、最適な鮎釣り具の選び方を解説。

とくに、初心者やこれから鮎釣りを始めてみたいという方は参考にしてみてください。

鮎の釣り方「瀬釣り」とは

瀬釣りとは
撮影:鮎釣りHACK編集部

流れの速い場所が「瀬」であり、鮎の友釣りでもっともメインとなるポイントです。

「石に流れが当たって波立っている場所」と表現している場合もありますが、鮎の友釣りでは底石が小さく白波が立たずにサーっと速く流れている場所も「瀬」になります。

ひとくち瀬といっても、流れの速さや水深、波立ち具合で荒瀬・急瀬・平瀬・早瀬・ザラ瀬・トロ瀬などに分類。

「今日はザラ瀬が釣れた」「荒瀬でデカイのが掛かった」などと、鮎師の間で会話がかわされます。

釣り方としては、流れの緩いトロ場やチャラ瀬で60~70度くらいの立て竿を駆使して釣る「泳がせ釣り」に対し、瀬釣りでは一般的に45度以下の寝かした竿角度で釣るのが特徴です。

群れ鮎や遊び鮎が多いトロ場やチャラ瀬とは異なり、瀬はしっかりと縄張りをもった追い気満々の野鮎がいるポイントであり、1日の釣りを組み立てるうえで外せません。

流れによっては比較的初心者にも釣りやすく、鮎釣り入門者にも適した釣り方です。

瀬釣りの魅力とは

瀬釣りの魅力
撮影:鮎釣りHACK編集部

繊細なテクニックを駆使して釣る「泳がせ釣り」も楽しいですが、瀬釣りには流れの強い場所での釣りならではの魅力があります。

「いれば掛かる」勝負の早さ

流れの速い「瀬」」は水通しがよく、石によいコケが付きやすいポイントです。

良質なコケの付いた石には縄張り意識の強い野鮎がつき、縄張りに侵入していきたオトリに対して積極的に攻撃を仕掛けてきます。

よいコケのついた石がゴロゴロしている瀬は、いれば掛かる」といわれるほどの勝負の早さが魅力なのです。

ダイナミックな釣りを楽しめる

瀬釣りでは、掛かった鮎が速い流れにのって下流に一気に走り、一瞬で竿が伸されてしまうようなダイナミックな釣りを楽しめます。

目印がいつ吹っ飛んでも対応できるように体勢を整えておく必要があり、一瞬も目を離せません。

とくに、急な流れに立ちこんでいて一歩もついて下がれないような状況では、掛かった鮎を獲れるかどうかのスリリングな釣りを楽しめます。

流れが速く激しいポイントほどダイナミックな釣りを楽しめる瀬釣りは、鮎師を魅了してやみません。

初心者にも釣りやすい

瀬には追い気の強い野鮎がついており、オトリをポイントに送り込んだ瞬間に掛かることもあります。

縄張りを強く意識した野鮎がついていれば「オトリを沈めれば掛かる」ほど、簡単に釣れるポイントなのです。

トロ場の泳がせ釣りでは、弱ったオトリで野鮎を掛けるのは至難の業ですが、元気のないオトリでもなんとかなるのが瀬釣り。

極端な話、死んだオトリでもオモリをつけて沈めれば掛かる場合があります。

オトリ操作に慣れていない初心者でも、比較的最初の1匹に出会える確率の高さも瀬釣りの魅力です。

鮎釣りをはじめたい、また興味がある方は、以下の記事もぜひ読んでみてください。

型のよい鮎が釣れる

瀬で釣れた大鮎

鮎釣りの「型(かた)」とは、鮎の大きさを指します。

必ずというわけではないですが、瀬には良型の野鮎がついているケースが多いです。

瀬は水当たりがよく良質なコケが育つ環境であり、野鮎は早く成長します。

ただし、大きく成長した野鮎は真っ先に釣られやすく、ここぞという瀬で小型鮎しか掛からないという肩透かしを食らう場合も。

絶好の瀬で小さい鮎しか掛からないならば、大型はすでに釣られてしまったと判断して場所を移動したほうが賢明です。

「瀬」の基本的な釣り方

瀬釣りには、状況によってさまざまな有効的なテクニックがあります。

鮎釣りをはじめたばかりの初心者であれば、まずは瀬釣りの基本を押さえておきましょう。

竿をしっかり寝かせる

竿を寝かしている様子

瀬には追い気の野鮎が多く、ポイントによっては初心者にも比較的釣りやすいのが特徴です。

ただし、オトリが流れに負けて浮いてしまっては、いくら頑張っても掛かりません。

オトリをしっかりと底に入れるには、竿を45度よりも下、オトリが流れに馴染みやすい角度まで寝かせます。

竿を寝かせることで水中糸を流れに対して平行に近づけ、水中糸にかかる抵抗を減らしてオトリを入りやすくするわけです。

オモリや背バリを使う

オモリの図解
作成:鮎釣りHACK編集部

竿を水面ギリギリのベタ竿にしてもオトリが流れに負けて底に入らないポイントでは、オモリや背バリを使います。

とくにオモリは、セットした位置より上にかかるラインの抵抗を減らせるため、オトリを沈ませにくい流れの強い瀬で有効です。

オモリしか使用しない人や背バリしか使用しない人、併用する人など釣り人によってさまざま。

状況によって使い分けるなど、いろいろと試してみるとよいでしょう。

オモリと背バリについては、下記の記事で詳しく取り上げています。

瀬釣りでは安全性を考慮しよう

ダイナミックな釣りを楽しめる瀬釣りですが、流れが強いポイントほど流されてしまう危険性が高まります。

誰もオトリを入れていない激流に突撃したくなるとはいえ、安全性を第一に考えて瀬釣りを楽しみましょう。

万一流されたを想定して、下流の状況がどのようになっているかなど、危険性を見極めておくのが重要です。

また、強い流れに長時間立ち込んでから戻るときに「疲れで足が動かない」という事態もありえます。

とくに、中高齢者以上の方で筋力の衰えが気になる場合は注意が必要です。

大河川では、毎年のように鮎師が命を落とす事故が発生します。

瀬釣りは、常に危険と隣り合わせであることに留意しておきましょう。

流れされた場合に役立つ鮎釣り用の救命具も発売されているので、チェックしてみてください。

鮎釣りの安全対策については、下記の記事で詳しく解説しています。

瀬釣りの鮎釣り具選び方

瀬釣りに適した鮎釣り具は、泳がせ釣り向けのモノと基本的に異なります。

大きく成長した縄張り鮎の引きに強い流れの力も加わるため、泳がせ釣りより強いタックルが必要です。

瀬で掛けた鮎をしっかりと獲れるタックル仕立てで挑みましょう。

鮎竿

鮎竿には大きく分けて「先調子」と「胴調子」があります。

一概には言えないものの、操作性に優れている先調子は泳がせ釣り向き。

一方、強い流れで一気に伸されても、胴の粘りで体勢を整えやすい胴調子は瀬釣り向きとされています。

パワーも要チェックです。

鮎竿には柔らかい順に中硬・硬中硬・早瀬・急瀬・荒瀬と、モデルによってパワーが異なります。

瀬釣りにおいては、早瀬クラス以上のパワーを備えたモデルがオススメ。

より急な流れに対応したい場合は急瀬、激流や大鮎釣りに挑みたいなら荒瀬を選ぶなど、シーンによって選択する必要があります。

メーカーでは「瀬釣りモデル」としてラインアップしているシリーズもあるので、チェックしてみてください。

鮎竿の記事を読む

水中糸

鮎釣りの水中糸にはメタルラインやフロロカーボン、ナイロンラインなど、さまざまな種類があります。

瀬釣りの主流は複合メタルラインやフルメタルライン、単線メタルなどの金属ラインです。

フロロカーボンライン等の樹脂ラインと比較して比重が高く、オトリを沈めるのをサポートします。

号数は、流れの強さや釣れる鮎の大きさによって選択。

細いほど水流抵抗が少なくオトリを強い流れに沈めやすいものの、トラブルも多くなるため注意が必要です。

さまざま状況に対応できるよう、何種類か号数を用意しておくとよいでしょう。

比重別のメタルラインについては、下記の記事で取り上げています。

鮎タイツ

鮎釣りの履き物にはタイツのほか、タビが一体化しているスリムウェーダーとドライタイツがあります。

スリムウェーダーとドライタイツは、誤って転倒するなどして水が内部に侵入すると危険。

万一流れされてしまうと、思うように動けない恐れがあります。

したがって、強い流れに立ち込むことが多い瀬釣りでは、通水性のある鮎タイツを着用しましょう。

また、生地の厚さも要チェック。

長時間流れに立ち込んでいると体が冷えるため、1~1.5mm厚の薄手の生地よりは3mm前後がオススメです。

猛暑のときに膝上程度しか立ち込まないなら薄手のタイツを着用するなど、シーンに応じて使い分ける方法もあります。

鮎タイツやスリムウェーダーについては、下記の記事で詳しく解説しています。

初心者ならば、まずは「瀬」ではじめてみよう!

強い流れに立ち込んでスリリングな鮎釣りを楽しめる瀬釣り。

縄張り鮎がいる可能性が高く、初心者でも「いれば掛かる」友釣り本来の魅力を体感しやすいポイントです。

ダイナミックな瀬釣りでは、ついつい夢中になってより強いな流れに向かってしまいがち。

周りの状況や水位、自身の体力などを考慮して、くれぐれも安全性に留意しながら楽しんでくださいね。

ABOUT ME
こうじ
こうじ
鮎釣りHACK編集長
鮎の友釣り歴30年以上の鮎師。関東の川を中心にのんびりと楽しんでいます。たまには遠征も。将来はキャンピングカーで全国の鮎河川を巡るのが夢。
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