金属の撚り糸である鮎釣り用水中糸「複合メタルライン」。
操作性や耐久性に優れているのが特徴で、比重やコーティングなどが異なるさまざまな製品が各メーカーから販売されています。
ひと昔前の複合メタルラインは、目印を動かしただけで縮れてしまうなど多くの問題がありましたが、各メーカーの改良によって使いやすく丈夫なラインとして進化。
今では多くの鮎釣り師に愛用されている水中糸です。
今回は、とくに鮎釣り初心者でも使いやすい、低比重から中比重の複合メタルラインをピックアップして紹介していきます。
低~中比重複合メタルラインとは

ラインの比重とは、水に対しての浮力を表すもので「1」が基準です。
比重が1より低ければ水に浮きやすいラインであり、数値が高いほど沈みやすいラインと言えます。
主な釣り用ラインの比重を確認しておきましょう。
釣り用ラインの比重
- PEラインの比重=0.97
- ナイロンラインの比重=1.14
- ポリエステルラインの比重=1.38
- フロロカーボンラインの比重=1.78

複合メタルラインや単線メタルラインの比重は製品によってさまざまであり、素材や撚り数によって異なるため注意が必要。
フロロカーボンラインより少し比重のある2くらいの低比重タイプから、10を超える高比重のタイプがあります。
●複合メタルラインの比重目安
- 低~中比重=約2~5
- 高比重=6以上
低~中比重複合メタルラインを使用するメリット


さまざまなシーンに対応できる
複合メタルラインは比重によって、適しているシーンが異なります。
たとえば、高比重なラインは沈みやすく流れが速く水深のあるポイントに向いている一方、流れの緩いポイントでは沈みすぎてオトリ操作がしにくいのが特徴です。
低~中比重複合メタルラインは沈みすぎないため、流れの緩いトロ場から早瀬まで、あらゆるポイントで使用できる万能ライン。
さまざまなポイントを攻めたい場合や、どれを選んだらよいか迷う場合の選択肢として最適です。
扱いやすいライン
複合メタルライン全般に言えることですが、扱いやすさが人気ラインである理由のひとつ。
撚り糸にコーティングが施されて強度や耐久性に優れているため、ナイロンラインやフロロカーボンラインより細い号数を選択できます。
また、扱いが悪いとすぐ切れてしまう単線メタルラインより仕掛けづくりもしやすく、実釣でのトラブルも少ないのが特徴です。
感度に優れている
複合メタルラインは金属の撚り糸なので、ナイロンラインやフロロカーボンラインより感度に優れています。
感度に優れていると「前アタリがわかりやすい」「根がかりに気づきやすい」ほか、野鮎が掛かっときの手元に感じる衝撃も強く、釣っていて楽しいラインです。
低~中比重複合メタルラインの選び方3つのポイント
比重で選ぶ
フロロカーボンラインより若干比重のある2程度の低比重タイプから、5くらいの中比重タイプまでラインナップされており、釣りのスタイルやポイントで選びましょう。
例えば、泳がせ釣りをメインとするならば、2~3の低比重タイプを。
瀬釣りを中心にオールラウンドで使用したいのあれば、5程度の中比重タイプがおすすめです。
コーティングで選ぶ
各メーカー、独自のコーティング方法を採用しており、表面の触り心地もそれぞれ異なります。
表面がツルツルしているタイプは、目印を移動した際に引っ掛かりにくく扱いやすいのが特徴です。
ただ、メーカーの謳い文句だけで判断するのは難しく、感触を確かめてから購入するのが望ましいでしょう。
お店や展示会など、実際にラインに触れられる機会があれば活用してみてください。
巻きの長さで選ぶ


各メーカーや製品によって、12、16、20mなどスプールへの巻き数が異なります。
仕掛けを作る際、水中糸を何メートルとるのかで選ぶのがよいでしょう。
水中糸の長さを4mとするならば、4mの倍数の巻き数12・16・24mが丁度よいです。
5mで仕掛けをつくる場合は、5mの倍数の巻き数なら中途半端に余りません。
また、長い巻き数でお得なタイプもリリースされているので、チェックしておきましょう。
低~中比重複合メタルラインは初心者にもおすすめ
鮎釣り初心者であれば、急瀬や深瀬に向いている高比重複合メタルラインよりは、万能でオールラウンドに使用できる低~中比重タイプをおすすめします。
一昔前は、初心者にはフロロカーボンラインやナイロンラインの使用を推奨することも多かったですが、近年の複合メタルラインはトラブルも少なく仕掛けも長持ちするため、初心者の最初の水中糸としても最適です。



低~中比重複合メタルラインのおすすめ
製品 | 比重 | カラー | 長さ | 号数 |
ダイワ(DAIWA) メタコンポ III VP | 2.1 | イエロー | 16m、28m | 0.04~0.2号 |
ダイワ(DAIWA) ハリス メタコンポヘビーVP | 5.0 | イエロー | 16m、28m | 0.05 ~0.2号 |
シマノ(SHIMANO) メタキング | 4.28 | パッションピンク | 12m | 0.01~0.08号 |
シマノ(SHIMANO) メタルライン METAGAME II | 4.58 | ブルー | 12m | 0.05~0.1号 |
バリバス(VARIVAS) メタルライン エクセラ鮎 メタフレックス | 3.5 | ハイライトグリーン | 16m | 0.04~0.1号 |
がまかつ (Gamakatsu)メタブリッドII 低比重 | 1.9 | ステルスグリーン | 12m、30m | 0.03~0.1号 |
がまかつ(Gamakatsu) 複合ライン メタブリッド 中比重 | 4.7 | ステルスゴールド | 12m、30m | 0.04~0.1号 |
タックルインジャパン(TACKLE in JAPAN) スーパー競技 ホワイト複合メタル | 4.4 | ホワイト | 20m+1m | 0.05号相当 |
ダイワ(DAIWA) メタコンポ III VP
比重2.1の低比重複合メタルラインで、定番モデルとして人気です。
イエローカラーで視認性に優れているほか、表面コーティング加工によって目印の移動もスムーズ。
0.04号から0.2号と、幅広い号数がラインナップされています。
ダイワ(DAIWA) ハリス メタコンポヘビーVP
タングステンワイヤーと高強力繊維(ポリアリレート)で構成された複合メタルライン。
比重5.0の中比重タイプで、中深場のトロ・瀬でオトリを早く沈められます。
真円性に優れており、ゴミの引っ掛かりも少ないのも魅力。
視認性の高いイエローカラーの採用でオトリの入射角も確認しやすいほか、仕掛けづくりのしやすさもおすすめポイントです。



シマノ(SHIMANO) メタキング
平均比重4.28の中比重複合メタルラインです。
直線強度や結束強度に優れており、0.01号から0.08号までラインナップされています。
カラーはパッションピンクです。
シマノ(SHIMANO) メタルライン METAGAME II
高強度新素材繊維のコアと、強力タングステンワイヤーをコンポジットした複合メタルライン。
前モデルより比重4.58で強度に優れているほか、キンクに強いのが特徴です。
特殊処理ダブルコーティング仕上げにより、目印の移動もスムーズで不純物の付着を防止しています。
しなやかさと強度を両立した「泳がせ釣り」から「瀬の引き釣り」まで対応可能なオールマイティな複合メタルラインです。
バリバス(VARIVAS) メタルライン エクセラ鮎 メタフレックス
比重3.5の複合メタルラインです。
独自のウルトラハードコーティングを施しており、ストレスのない目印移動を実現しています。
カラーはハイライトグリーン。
0.04号から0.1号までラインナップされています。
がまかつ (Gamakatsu)メタブリッドII 低比重
比重1.9と、超低比重複合メタルライン。
軽さを生かした泳がせ釣りから、瀬釣りまでこなすラインです。
カラーはステルスグリーンで、0.03号から0.1号までラインナップされています。
がまかつ(Gamakatsu) 複合ライン メタブリッド 中比重
比重4.7の中比重複合メタルラインです。
深トロや深瀬での泳がせ釣りから、瀬での引き釣りにも対応します。
カラーはステルスゴールドで、号数は0.03・0.08・0.1号の3種類です。
タックルインジャパン(TACKLE in JAPAN) スーパー競技 ホワイト複合メタル 0.05号(相当)
高強度の新素材繊維と極細タングステンの組み合わせた、複合メタルライン。
優れた強度で根ズレにも強いながらも、しなやかで扱いやすいのが特徴です。
仕掛づくりや実釣でも見やすい、ホワイトカラーを採用しています。
低~中比重複合メタルラインでトラブルを減らして鮎釣りを楽しもう!
鮎釣りの水中糸には複合メタルライン・フロロカーボン・単線メタルラインなどさまざまなタイプのラインがあり、それぞれ特徴が異なるため状況によって使い分けるのがおすすめです。
初心者でトラブルをなるべく減らしたい場合は複合メタルライン、なかでもオールラウンドに使いやすい低~中比重複合メタルラインを使ってみてはいかがでしょうか。
扱いやすく耐久性にも優れている複合メタルラインで、釣果アップしながら楽しい鮎釣りを満喫しましょう。