どんなジャンルの釣りにも特有のマナーがありますが、鮎の友釣りにももちろん存在します。
とくに初心者においては、マナーがわからず釣り場で怒られることもあるかもしれません。
そんな嫌な思いをしないよう、一度しっかりと鮎釣りならではのマナーを確認しておきましょう。
鮎の友釣り6つのマナー

鮎の友釣りには特有のマナーがあります。
「ゴミを捨てる」「遊漁券を買わない」などはマナーというより常識であり、釣り全般に言えることなので今回は触れません。
竿1本分の間隔を空ける
鮎竿のスタンダードな長さである9m程度は、となりとの間隔を空けましょう。
最低でも竿1本分の間隔を空けないと、竿同士がぶつかる可能性があるのです。
高価な鮎竿ですので、ぶつけられた方はとても気分が悪いもの。
繊細なカーボン繊維でつくられている鮎竿は、ちょっとした傷が致命傷になることもあるので要注意です。
また、すぐ下に釣り人がいると、野鮎が掛かったときにやりとりの邪魔にもなります。
トラブルを防ぐ意味でも、上下の釣り人との間隔はなるべく大きく空けたいものです。
混雑状況によっては難しいですが、できれば2本ほどの距離をとればトラブルなく楽しめます。
人のすぐ下には入らない
一概には言えませんが、鮎釣りは釣りながら川を下る「釣り下がる」ことが多いです。
先に入っている釣り人が、少しずつ下がりながら釣っているところに無理やり入るのは、やめておきましょう。
もし、仕方なく下に入れてもらう場合は挨拶をし、なるべく距離を取る方が賢明です。
なかには、激高する方もいるため注意してください。
対岸の真正面に立たない
対岸の真正面に立つ人がいます。
よほど大きい川なら問題ありませんが、最悪の場合、お互いの仕掛けが絡まってしまうこともあるので控えましょう。
また、対岸と人と顔を合わせて釣りをするのはあまり気分のいいものではありませんし、魚にも大きなプレッシャーを与えます。
どうしてもそのポイントをやりたいのかもしれませんが、自分で入れがかりポイントを探すのも鮎釣りの醍醐味にひとつです。
自分は気にしなくても、気分を害する人がいることも知って行動しましょう。
場所取りをしない
ここでいう場所取りとは、解禁日にイスを置いたり棒を立てたりすることではありません。
解禁日のマナーの悪さも、よく問題になりますが。
たとえば、休憩中にオトリをつないだまま竿を川へ向けて立てておく行為や、ヒキフネを置いた場所を自分のポイントだと主張する釣り人です。
いずれも「休憩中に場所を取られたくない」ための行為であり、混雑している釣り場ではとても迷惑します。
また、まれにいるのがヒキフネを10数メートルごとに2~3個置いて自分の場所を主張する人。
とても憤慨するでしょうが、注意はしないほう賢明です。
そういう自分本位の方は、指摘されると逆ギレします。
竿抜けを探して「足で釣る」ほうが結果的には釣果が伸びるものです。
マナーの悪い釣り人は相手にせず、せっかくの休日をストレスなく楽しみましょう。

近くに入る場合は挨拶をしよう


釣っている人の後を通り、上下に入るのであれば先行者に「入りますね」と挨拶をしましょう。
挨拶するだけでも気分よく釣りが楽しめるものです。
また、対岸へ渡る「川切り」をする際も一声かけましょう。
その際は、先行者のポイントを荒らさないようになるべく離れたい位置から渡るようにしてください。
なかには、挨拶されないと怒る人もいるのでご注意を。



他川で釣った鮎を持ち込まない
これもマナーというより、いまや常識といってもいいかもしれません。
近年、鮎釣り業界の大きな懸念のひとつが「冷水病の蔓延」です。
冷水病に感染した鮎は死んで流れていきます。
生き残る鮎もいますが、最悪の場合、川の鮎は全滅です。
冷水病に感染した鮎を冷水病の発生していない川へ持ち込むことにより、冷水病菌をばらまくことになるのですね。
「オトリならいいのでは」という人もいますが、できれば避けたいところ。
釣った鮎とオトリを同じ水で飼っているオトリ屋さんもありますし、川から水を引いている場合もあります。
また、オトリを購入する際も、釣りをする河川近くのオトリ屋さんで買いましょう。
できれば、川へ入る際はタビやヒキフネ、タイツを消毒しておくと万全です。
追いがよく釣りやすいものの、冷水病に弱い「湖産鮎」を放流しにくくなったことで、昔と比べて鮎は釣れなくなりました。
冷水病の撲滅は今のところ難しいですが、釣り人一人ひとりの意識で少しでも釣れる鮎を増やしたいですね。
マナーを意識して鮎釣りを楽しもう!
これらのマナーは多くの釣り人は知っているはずなのですが、釣り場でのトラブルはなくなりません。
鮎釣りを始めたばかりの初心者が、トラブルに巻き込まれて挫折してしまったらば、とても残念なことです。
また、釣り全般にいえることなので今回触れませんでしたが、「たばこのポイ捨て」「仕掛けやハリを川へ捨てる」などの行為もやめましょう。
釣り人一人ひとりがマナーを守り、きれいな釣り場で楽しい鮎釣りを楽しみたいですね。