すでに解禁を迎えた川もあり、いよいよシーズンインですね。
多くの方は仕掛けづくりを終えたかもしれませんが、鮎釣りHACK編集部はこれからです。
仕掛けづくりをはじめるにあたり、まずはもっとも強度に優れた『つけ糸』選ぶべく、つけ糸専用として販売されている3モデルをピックアップ。
結束強度を比較検証してみました。
一番強い『つけ糸』はどのモデルだったのでしょうか?
初心者向けに『つけ糸』について解説もしていますので、参考にしてください。
鮎釣り仕掛けの『つけ糸』とは

鮎釣り仕掛けでいう『つけ糸』とは、水中糸に接続するラインです。
上側は天井糸と水中糸の間に、下は水中糸と中ハリス(ハナカン回り糸)の間に接続します。
それぞれ「上糸」「下糸」とも呼ばれますが、上糸を接続しないで水中糸を直接天井糸と接続する場合や、下糸を使用せず中ハリスを長くとって水中糸を直接接続する「ワンピース仕掛け」を使用する人もおり、必須というわけではありません。
つけ糸を使用する目的としては、フロロカーボンラインやナイロンの伸びをクッションとするためや、適度なオバセ(ラインの水中抵抗)をつくるために使用します。
ラインの種類は一般的にフロロカーボンラインかナイロンラインを使用。
号数は下糸の場合、0.3~0.4号を中心に小物対応で0.2号、大物用では1号以上を使用する場合もあります。
『フロロつけ糸』3モデルの強度を比較!

鮎師によっては、他ジャンルのラインをつけ糸に代用する場合もありますが、今回は品名に「つけ糸」と名付けている下記の3種類を取り上げて結束強度を比較してみました。
号数はすべて0.4号です。
前回のホクエツ「糸オモリ 第2の穂先」と同様、3回ひねりチチワ結びで5回計測。
「サンライン つけ糸FC フロロカーボン」は、前回のデータを利用しています。
フォースゲージを用いて引張強度を計測しました。

早速、結果ですが……
回数 | サンライン つけ糸FC フロロカーボン 0.4号 | バリバス エクセラ鮎 ツケ糸 フロロカーボン 0.4号 | フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸 0.4号 |
1回目 | 620g | 625g | 835g |
2回目 | 600g | 600g | 825g |
3回目 | 715g | 650g | 885g |
4回目 | 625g | 725g | 725g |
5回目 | 735g | 715g | 800g |
平均 | 659g | 663g | 814g |
今回の3モデルで結束強度のもっとも強いのは「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」でした。
他より圧倒的に強いうえ、強度のバラつきが少ないのも特徴です。
結束強度は締め具合によって変わるため、完璧に正確な数値ではありませんが、これだけはっきりとした結果であれば、一定の信頼性があると思います。
よって、鮎釣りHACK編集部の今年のつけ糸は「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」で決定です。

同じ0.4号でも太さが違う?問い合わせてみた

「サンライン つけ糸FC フロロカーボン 0.4号」と「バリバス エクセラ鮎 ツケ糸 フロロカーボン 0.4号」は製品に太さの表示があり、ともに「0.104mm」となっています。
一方、「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」は製品に表示がなく、カタログやHPを見ても表示がありません。
もしかして「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」は他より太いのでは?という疑念がわいてきました。
そこで、フジノラインに問い合わせたところ……
「最低の太さは基準値の0.104mmですが、最大0.117mm未満になります」とのこと。
一応、フロロカーボンライン0.4号の基準値である「0.104mm」とのお答えで、安心しました。
多少バラつきが生じるのは各メーカー同じでしょうから、問題ないでしょう。
今シーズンは、安心して「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」を下つけ糸に使用したいと思います。
ハナカン回り糸より強い

フジノラインでは、ハナカン回り用のライン「フロロ鮎ハナカン回り糸NEO」も販売しています。
たまたま0.4号を持ち合わせていたので、同じように結束強度を測定してみたところ、5回平均「684g」でした。
「ターボVフロロ鮎つけ糸」が5回平均814gですから、約16%弱いという結果です。
この点も聞いてみたところ……
「ハナカン回りは硬めで伸びが少なく、つけ糸は柔らかく伸びがあります。つけ糸のほうが粘りがあるため、切れにくくなっています」とのお答えでした。
同じ号数なら、つけ糸として製造されているラインのほうが強いのですね。
通常、ハナカン回り糸は下つけ糸より太くするため、「フロロ鮎ハナカン回り糸NEO」を愛用している方もそのまま使って問題ないと思います。
強度がすべてとは限らない

今回の結束強度の測定では、「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」がもっと強度のあるつけ糸でした。
ただ、ラインは強度がすべてではありません。
しなやかさや色、擦れの強さなども異なります。
実際、今回の3モデルをチチワ結びしましたが、「フジノライン ターボVフロロ鮎つけ糸」がもっとも硬く縮れやすさも感じ、他社のほうが柔らかさがあって結びやすかったです。
人それぞれや感覚や好みが違います。
仕掛けの作りやすさや実釣での使い勝手も考慮して、最適なつけ糸を選んでみてください。