「第四のライン」が話題のホクエツから登場した『糸オモリ 第2の穂先』。
号数ラインナップが豊富で、つけ糸や天井糸のリーダーとして使用できるとしています。
高強度でオモリも装着できるとしており、つけ糸として使用してみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、『糸オモリ 第2の穂先』の結束強度を測定してみました。
使用を検討している方は参考にしてください。
ホクエツ『糸オモリ 第2の穂先』

ホクエツといえば、とにかく「第四のライン」が話題です。
当サイトでも、以前投稿した「第四のライン」記事はアクセス数が多く、その注目度の高さがうかがえます。
今回、取り上げるのは同社の『糸オモリ 第2の穂先』。
鮎釣りでのつけ糸をはじめ、渓流ハリス・ワカサギ先糸・船釣りの中オモリ・タナゴ釣りなど、さまざまな釣りジャンルに応用できるとしています。
つけ糸を細くできる
オモリを使用する際は、ワンピースの中ハリスや下糸をある程度太くする必要がありますが、太くするほどオトリの泳ぎが悪くなります。
そこで、オモリを使用せずとも入りがよく、オトリの泳ぎをサポートすべく開発されたのが『糸オモリ 第2の穂先』です。
要は、「下糸に複合メタルラインを使えたら細くできるうえ、高感度になるのに」という発想から誕生したラインなのでしょう。
通常、複合メタルラインを下糸に使用すれば「トラブル多発で釣りにならない」と誰もが思うもの。
『糸オモリ 第2の穂先』は細くても高強度で、つけ糸として使用できるよう開発したラインであり、「オモリなしでも強い流れにオトリを送り込める」としています。
つけ糸なら0.2号がおすすめ

『糸オモリ 第2の穂先』の0.2号は、タングステンを少なめにして泳ぎのサポートを重視しているとのこと。
0.2号以上の太さでは、つけ糸として使用するメリットが半減してしまうので、まずは0.2号を使ってみてはいかがでしょうか。
ただ、0.5号もタングステン少なめで、「大鮎釣りでの泳ぎを意識して開発している」としているので、気になる方は試してみてください。
太めの号数はリーダーとして使える
『糸オモリ 第2の穂先』は1号までラインナップ。
天井糸にPEラインや「第四のライン」を使用する際は、0.8号または1号の『糸オモリ 第2の穂先』を30cmほどリーダーとして接続すれば、穂先への糸がらみを防げます。
また、感度も向上するので、より綿密なオトリ操作や前アタリを捉えやすくなる効果も期待できるでしょう。
ただし、1号で参考強度9.1kgの強度があり、根掛かりの際に竿を強くあおると破損する危険性があるため注意してください。
ちなみに、各号数の強度は以下となっています。
参考号数 | 参考強度 | カラー |
0.125号 | 980g | ホワイトシルバー |
0.2号 | 2.3kg | ホワイトシルバー |
0.3号 | 3.4kg | ホワイトシルバー |
0.4号 | 4.1kg | レッド |
0.5号 | 5.2kg | レッド |
0.6号 | 6.4kg | レッド |
0.8号 | 7.7kg | 無塗装 |
1号 | 9.1kg | 無塗装 |
2号 | 18.1kg | 無塗装 |
結束強度を実測
0.2号は、参考強度2.3kgと表記されています。
3回ひねりチチワで結んだ場合は50%程度になるとのこと。
つまり、1.15㎏前後の数値なら、メーカーが謳う参考強度通りとの結果になるわけです。
今回、強度の測定には「アナログフォースゲージ」を使用しました。
引っ張り強度を測定する計測機器です。

計測はなるべく多くの回数を重ねて平均を出すのが望ましいですが、今回は5回計測しました。
下記の条件で計測しています。
- 結束方法:3回ひねりチチワ(チチワの大きさ約1cm)
- 長さ:20cm
また、比較対象としてサンラインのつけ糸専用フロロカーボンライン「つけ糸FC」0.4号と、水中糸用フロロカーボンライン「トルネード鮎VIP」0.2号を同じ条件で計測しました。
以下測定結果です。
回数 | 糸オモリ 第2の穂先0.2号 | つけ糸FC0.4号 | トルネード鮎VIP0.2号 |
1回目 | 745g | 620g | 300g |
2回目 | 720g | 600g | 325g |
3回目 | 800g | 715g | 285g |
4回目 | 615g | 625g | 275g |
5回目 | 725g | 735g | 300g |
結束時の締め具合なのか、多少のバラつきはありますが、つけ糸FC0.4号より『糸オモリ 第2の穂先』0.2号のほうが少し強い結果となりました。
また、フロロカーボンラインと同号数なら倍以上の強度があります。
下記は5回計測を平均をグラフにしたものです。

ちなみに、しなやかさがあるダイワの複合メタルライン「メタコンポⅢ」でも試しましたが、チチワで結束して引っ張るとあっという間に切れてしまうので、『糸オモリ 第2の穂先』が「結束して使える」は事実です。
メーカーが謳う数値には程遠いですが、つけ糸に0.4号を使用しているなら『糸オモリ 第2の穂先』の0.2号を選択すれば、同等より少し強めの強度になります。
余談ですが、サンラインの「つけ糸FC」0.4号もかなりの結束強度です。
一般的にフロロカーボンライン0.4号の直線強度は725g程度とされており、結束ながらも近い数値が計測されました。
まさに、つけ糸として最適なラインと言えるでしょう。
近日、つけ糸の強度比較もやる予定です。
擦れに強いのか?

実釣において気になるのが擦れに対する強度です。
実際に手に取ってみた感触は少しザラザラとする複合メタルラインそのものであり、擦れに対する心配は尽きません。
上の画像は、表面のザラザラが弱点とされる同社のRANスペシャルですが、見た目はそれほど変わらない印象です。
また、より糸なのでフロロカーボンラインやナイロンラインのような、しなやかさもありません。
樹脂ラインと比較すれば、仕掛けづくりで多少イライラする場合もあるでしょう。
実際につけ糸やハナカン周りに使用するには、一般的な複合メタルラインよりも擦れに強い必要があるはずですが、そのあたりはメーカーも触れていないのでわかりません。
傷をつけてテストしようかとも考えましたが、加減による違いが出ると同じ条件にならないため、実釣で確認するしかないでしょう。
瞬間接着剤を使えばさらに強くなる
ホクエツは「瞬間接着剤を使用すればさらに強度が出る」としています。
さらに強度を高めたい場合や0.125号を使用してみたいなら、結び目にアロンを付けて試してみてはいかがでしょうか。
今回、0.125号は用意できませんでしたが、初期の浅場で小型が対象にあるケースでは通用するかもしれません。
単純に『糸オモリ 第2の穂先』0.2号の6割程度の強度とすれば、フロロカーボンライン0.25号の直線強度と同レベルです。
普段、つけ糸に0.2号を使用している場合なら、代わりとして使えるでしょう。
また、結束でなく編み込みなら、さらに強度が高まるはずです。
実釣で確かめましょう
ハナカン周りをできるだけ細くする目的で開発されたという『糸オモリ 第2の穂先』。
結束強度としては、十分使用に耐えられる結果でした。
ただ、擦れに対する強さなど、やはり実釣してみないことにはわからない部分もあるため、お試し用に少し仕掛けをつくって実際の釣りで試してみましょう。
鮎釣りHACK編集部でも実際に使用しますので、その際はインプレッションをお伝えしたいと考えています。ご期待ください!